前立腺がんの患者様、ご家族の皆様へ

前立腺がん治療・小線源療法|ブラキ・サポート

冊子/リーフレット前立腺がん小線源療法のガイドブック【7】

6-2.退院後の注意事項

術後における主な副作用

急性期障害(治療後6ヶ月以内)

<血尿>治療後最初の24時間によく起こりますが、ほとんどの場合、程度はごくわずかです。排尿困難となった場合には、膀胱にカテーテル(導尿用の管)を再度留置することがあります。

<尿閉・排尿困難>前立腺の浮腫(腫れ)により起こることがあります。ほとんどは術後の急性期に発症し、特に治療前の排尿状態が良好でない場合や、シード線源をたくさん用いた場合に頻度が高くなると考えられています。多くは内服薬で改善しますが、症状が強い場合、膀胱にカテーテルを再度留置することがあります。

<尿意切迫感>治療後早期に比較的よくみられる症状です。一般に、尿道の炎症(刺激)によるものと考えられており、多くは内服薬による治療で対応でき、数ヶ月でおさまります。

<直腸炎>放射線を照射されている前立腺は直腸と近接しているため、排尿中に便意を感じるなどの症状がごくまれにあります。そのような症状は生じた場合でも通常数ヶ月で改善します。

<射精時痛/血性精液>治療後最初の射精ではよく見られます。血性精液や射精痛は数ヶ月ほど続く方もおりますが、通常自然と解消していきます。

晩期障害(6ヶ月以降)

<尿失禁>この治療は外科的切除術と比較して、尿失禁が少ないのが特徴であり、原則として尿失禁を呈する患者さんは非常にまれです。

<勃起不全>70歳以上の患者さんの場合、およそ20~25%が術後、勃起機能を失うと考えられています。勃起不全に至るまでの時間は極めて個人差があり、刺入後12ヶ月未満に生じる場合もありますが、通常はそれ以降となります。薬物療法が有効で機能の回復が望めます。また射精困難になる可能性があります。

<直腸潰瘍>大変まれで、痛みを伴わない直腸出血を起こすことがあります。最も悪い経過をたどる場合では、人工肛門造設術が必要となる場合もありますが、極めてまれです。

<監修>京都府立医科大学大学院医学研究科
泌尿器外科学教室

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