伝えたいこと中間リスク前立腺がんの治療法別成績
中間リスク前立腺がんの治療法成績とは
<グラフの見方>
参照:「前立腺がんの治療について」
Grimm, P, et al., BJUI, vol .109 (s) pg. 22-29, Feb2012 欧米主要施設での治療別データより一部改変
中間リスク:治療後8年の時点で各治療法の再発率
(1)小線源療法(ブラキ治療)と外部照射の併用療法で10%(PSA非再発率90%)
(2)小線源療法(ブラキ治療)単独療法で15%(PSA非再発率85%)
(3)手術(前立腺全摘出術)で30%(PSA非再発率70%)
(4)外部照射で30%(PSA非再発率70%)
となっています。
中間リスクの前立腺がん治療法別成績のまとめ
経過観察を経ても良好であるのは外部照射と小線源治療の併用療法です。
(グラフの外部照射+小線源療法(ブラキ))
この併用療法により、14年の時点でも再発率は10%(PSA非再発率90%)という結果が示されています。
これは、通常の外部照射(IMRT)より高い線量を、外部照射+小線源療法(ブラキ)による併用療法により照射できていることが理由のひとつと考えられます。
中間リスクでも前立腺がんの外への浸潤の程度が軽ければ、線量を高く照射することで小線源療法単独でも比較的よい成績が出ています(グラフ:17, 18, 20の施設)。
※外部照射単独の場合、IMRTを用いて現在我が国で行われている治療線量は78Gy前後が一般的です。
<執筆>あじろぎ会 宇治病院 泌尿器科 岡本圭生先生