ブルークローバー・キャンペーン前立腺がん早期発見のためにPSA検診への理解を【3】
早期発見が根治につながるまずはPSA検診を(3)
内藤
血液検査だけで前立腺がんの可能性を知ることができるのも、メリットの一つでしょう。さらに最近ではPSAの診断性能を補ってくれる新しい腫瘍マーカー(※3)として、「proPSA」の存在にも注目が集まっています。proPSAとはPSAの前駆体で、PSA検査と組み合わせて使用すれば、がんと非がんをよりよく判別できるといわれています。また、前立腺がんの患者さんのproPSA値は、がんの悪性度を反映し、より適切な治療方針に結び付けられる可能性があり、近い将来、臨床の現場での活用が期待されています。
【※1】前立腺がんを発見するためのがん検診。PSAとは前立腺に特異的なたんぱく質の一種で、健康な人の血液中にもありますが、前立腺の病気になると血液中に流れ出して増加します。そのため少量の血液があれば測定でき、早期発見や治療法の選択、治療効果判定の指標として用いられています。検診受診の開始年齢は、一般的には50歳以上ですが、人間ドック受診の機会がある方、親・兄弟に前立腺がん患者さんがいる方は40代からの受診をよりお勧めします。
【※2】PSA検診の死亡率低下効果を調査するための無作為化比較対照試験(RCT)を実施する中で、PSA検診を受診するグループ(検診群)としないグループ(コントロール群)を無作為に割り付けしています。
【※3】悪性腫瘍(がん)から高い特異性をもって産生される物質。それらの血中濃度や尿中濃度を調べることで、腫瘍の有無や場所の診断に用いられ、がんなどの早期発見に役立ちます。