ブルークローバー・キャンペーンブルークローバー通信Vol.17
南大阪の前立腺がん啓発イベントとして定着
「気になったらPSA検査を受けよう!前立腺がん啓発キャンペーン in 南大阪」開催リポート
アストラゼネカ株式会社主催のもと「医薬品企業から発信する前立腺がん啓発」として、昨年大きな成果を収めたイベントが(ブルークローバー通信vol.15参照)、今年再び「イオンモール堺北花田」の全面協力を得て、9月27日に開催されました。
"日常生活"に出向いて得られたもの
イベントの大きな目的は、昨年に続き「前立腺がんの啓発メッセージを広く届ける」こと。不特定多数かつ幅広い年齢層が行きかうショッピングモールのフードコート前に情報ブースを設置。アストラゼネカ株式会社で南大阪エリアを担当するスタッフのみなさんが、前を通りかかる人たちに前立腺がんの資料を配布しました。
昨年実施の成果を、北山雄一さん(営業本部オンコロジー領域)はこう振り返ります。「通常は医療現場を中心に勤務している私たちが、こうした"日常生活"に入り込むことで、ふだん健康に暮らしている方々が、前立腺がんに対してどのような認識をされているのかがつかめました」。前立腺がんに対して関心の高い罹患者(りかんしゃ)が多く集う市民公開講座で得られる「参考になった」といった反応とはまた異なる、いわば前立腺がん無関心層の人たちからの「生の声」に触れることができ、スタッフ一人ひとりの意識にも変化が出たといいます。「『(昨年の)このイベントを見たよ』とおっしゃる患者さんがたくさんおられたと、お会いする泌尿器科の先生方からもお聞きしました。また昨年実施をきっかけにPSA検査を受診された方もいらっしゃったとのことで、われわれとしても一定の成果を感じています」
タブレットを用いた新たな試みに注目
昨年と同じく、ブース前では資料を配布しながら、同時にアンケートへの協力も呼び掛け。アンケート協力者には、南大阪エリアの泌尿器科医が出演し、前立腺がんについて解説するビデオクリップを見てもらい、理解を深めてもらおうという仕掛けです。ビデオ制作は、伊藤哲二先生(PL病院)、今西正昭先生(済生会富田林病院)、植村天受先生(近畿大学医学部附属病院)、梶川博司先生(泉大津市立病院)、加藤良成先生(市立貝塚病院)、杉山高秀先生(高石藤井病院)、高山仁志先生(市立堺病院)、田代孝一郎先生(明治橋病院)、田原秀男先生(耳原総合病院)、辻畑正雄先生(大阪労災病院)、西岡伯先生(近畿大学医学部附属堺病院)、萩野惠三先生(りんくう総合医療センター)※50音順の総勢12医師による協力を得ました。ブース前を通りかかる人たちにとっては、南大阪で活躍するなじみ深い病院の先生が出演されていることもあり「この先生にお世話になっているよ」といったスタッフとのやりとりも見られました。
さらに今年は「ブースに立ち寄ってくださった皆さんのお話をたくさん聞けるきっかけになるように」との思いから、タブレット機器を用いたクイズを制作。「男性がんで一番多いものは?」「前立腺の場所は? 大きさは?」といった前立腺がんにまつわるクイズを通じて、ブースに立ち寄った人たちとさらなる対話を深めたいというねらいです。「資料を受け取ってもらうだけでなく、ご自身で見て、触れて、かつ考えてもらうことで、前立腺がんのことを少しでも意識の中に植え付けていただけるのではと考えました」(北山さん)
泌尿器科医の思いを形に、啓発の好循環をつくる
昨年実施内容からの「上積み」をねらったこうしたアイデアは「普段お世話になっている泌尿器科医の先生方との会話が、とてもヒントになった」と北山さん。「先生方は、市民公開講座といった場だけではなく、こうした草の根レベルでの啓発イベントの必要性も感じていらっしゃいます。私たち医薬品企業にとって、製薬面からのお手伝いだけではなく、先生方のこうした思いを形にするお手伝いも、重要な役割だと考えます」。タブレットを用いたクイズのアイデアは「ブースに来てくれた人に、前立腺がんについて直接聞いてみるのも良いのでは?」というある泌尿器科医の提案から生まれたのだとか。またイベントのノウハウは他県でも共有され、昨年実施以降、和歌山県のショッピングモールでも同様のイベントが開催されたほか、別のがん種の啓発活動も、いくつか計画中とのことです。
今回、9月27日の「イオンモール堺北花田」に続いて、翌28日には関西空港駅(大阪府泉佐野市)で同様にブースを展開し、50人以上からアンケート回答を得たほか、1000部以上の冊子を配布。南大阪における前立腺がん啓発の定着イベントとして、浸透の手応えをつかんだといいます。
「こうしたイベントを形にし、継続することで、先生方はもちろん患者さんにも喜んでいただき、ひいては前立腺がんの無関心層にも興味を持っていただく。こうした"良い循環"を今後も回していけるよう、先生方のご助言をいただきながら、啓発活動を盛り上げていきたいと思っています」(北山さん)