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治療について前立腺がんの治療について【3】

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しかしながら外部照射だけでの治療の場合、前立腺が絶えず動く臓器であるために、癌病変に放射線を毎回正確に当てることが難しいという問題があり、それを確認する方法もないのが現状です。また、外部照射だけではどうしても放射線のエネルギーが80Gy以下の低い線量になってしまうため、長期にわたって再発のない状態が維持できるかどうかの懸念もあります。
また重粒子線治療などの新しい放射線治療は海外でもデータが乏しく、長期結果が不明であるということを知っておくべきでしょう。

日本では今でも手術が根治療法の中心になっていますが、海外では密封小線源療法などの放射線治療が約半数の患者さんに行われており、良好な治療成績が出ています。

参照ページ:
低リスクの前立腺がん治療法別成績について
中間リスクの前立腺がん治療法別成績について
高リスクの前立腺がん治療法別成績について

ホルモン療法

前立腺がんを増殖させる男性ホルモンを抑制し、前立腺の細胞に男性ホルモンの影響が及ばないようにして、癌の進行を防ぐ治療法です。

ホルモン療法の副作用は、女性の更年期症状に似た症状が出ますが、具体的には急に寝汗をかくとか、急に体が熱くなる火照り感などです。 ホルモン療法は、経口薬と注射であるということと、痛みや髪が抜けるなどの副作用が少ないので、どうしても安易に実施されることが多いですが、ホルモン療法単独で低リスク前立腺がんであっても治ることはありませんので、とりあえずホルモン療法をという考えは正しくありません。実際に米国のガイドラインにも転移のない前立腺がんの単独治療の選択肢としてホルモン療法は推奨されていません。

また、ホルモン療法は長く続けると心臓の病気、骨粗鬆症、動脈硬化や糖尿病、貧血など様々な合併症のリスクが高くなりますので、注意して行うべき治療法だといえます。ホルモン療法の使い方としては、悪性度の高い前立腺がんや、周囲に浸潤した前立腺がんの治療に放射線治療(小線源療法を含む)と併用して、根治をめざすというのが適切な使用方法といえます。

<監修>あじろぎ会 宇治病院 泌尿器科 岡本圭生先生

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