前立腺がんの患者様、ご家族の皆様へ

活動一覧

ブルークローバー・キャンペーンブルークローバー通信Vol.16-2【1】

前立腺がんで苦しむ人を これ以上 増やさないために

ブルークローバー・キャンペーン「前立腺がん啓発週間」 活動リポート(2)

 「がん・統計白書2012」によると、2010年の前立腺がんによる死亡者数は
1万1,600人。2025年には1万5千人を超えると予想されています。多くの自治体が、前立腺がんの早期発見に有効なPSA検査を取り入れているものの、日本人男性の受診率は依然低い数字にとどまるのが現状です。
 ブルークローバー・キャンペーンは9月17日~24日を、日本における「前立腺がん啓発週間」と設定。複数の医療機関と協力し、無料PSA検査の提供のほか、前立腺がんの基本的知識を広く発信しました。昨年に続いてのキャンペーンは、その協力医療機関を大幅に増やし、広く全国で展開されました。

9/11(水)伊勢崎市民病院
市民公開講座「前立腺がんの早期発見と治療」

●「PSA検査」を参加者に強く印象付ける

前立腺がん啓発のため実施された伊勢崎市民病院,市民公開講座の様子 竹澤豊先生を座長に迎えて開催された市民公開講座。悦永徹先生が講師を務め、前立腺がんについて、(1)疫学(2)診断(3)治療と、3つのテーマに大別して話題を展開します。やさしい語り口調はもちろん、なるべく専門用語は使用せず、聴講者にわかりやすい言葉に置き換えての解説を心がけたという悦永先生。PSA検診後の病院での検査や、その後の治療の流れをわかりやすく紹介することにより、不安感をなくして受診してもらいたいと強調します。さらにはキャンペーンのシンボルでもある「ブルークローバー」の花言葉や、ブルークローバー・キャンペーンに込められた意味にも話が及ぶなど、中身の濃い講演時間となりました。
 高齢の男性だけでなく、女性や夫婦での参加など、幅広い層で占められた聴講者からは、講演終了後の疑問や相談の投げかけも活発に。それに対する先生からの回答時間も十分に設定されるなど、きめ細かな対応がなされていました。聴講者からは「大変良い事を知りました。これからも開催を希望します」「これからいろいろお世話になりそうです。検査の流れなどがわかり、良かったです」「主人をなんとしても受診させたいと思います」など、好意的な感想も多く寄せられました。前立腺がんの正しい知識と、早期発見の重要性。そして「PSA検査」という言葉だけでも覚えてもらいたい。一人一人が、同院のメッセージを強く感じ取ったことでしょう。

9/16(月・祝)昭和大学 PSAスクリーニングキャンペーン
「前立腺がん」の「早期発見・適切治療の大切さ」を伝えます。

●「発信源」の施設は、今年も活発に

昭和大学で行われたPSAスクリーニングキャンペーンの様子 2011年、全国に先駆け、いち早く民間主導の前立腺がん啓発イベントを実施したのが昭和大学。ここから発信された前立腺がん啓発の輪は、今や全国規模に広がりつつあります。3年目となった同大学の公開講座「前立腺がんってどんな病気?-PSAって何ですか?-」は、午前午後あわせて約120人の参加者を集めました。
 「前立腺とは?前立腺肥大症のはなし」(小川良雄先生)に始まり、「前立腺がんってどんな病気?」(五十嵐敦先生)、「前立腺がんの予防 PSAって何ですか?」(深貝隆志先生)、「前立腺がんの最新治療」(森田將先生)と、男性にとっては気になる症状「前立腺肥大症」を含め、講義は盛りだくさんの内容。都内だけでなく近隣県からも訪れた参加者は、メモだけでなく画面に映し出されるパワーポイントの写真を撮ったりと熱心な様子で、講義後に行われた各先生への個別質問の時間でも、自分のPSA検査結果を持参して相談に臨む人も。より的確な情報を得ようとする成熟した姿勢が印象的でした。また、16日~20日の期間中に同大学で実施された無料PSA検診には、約300人が受診に訪れるなど、昨年の160人を大きく上回る成果も得ました。「前立腺がんで苦しむ人をこれ以上増やしたくない」と絶えずメッセージを送り続ける深貝先生の思いは、確実に地域に浸透しています。

9/25(水)黒沢病院附属ヘルスパーククリニック
女性に知ってほしい前立腺がん講習会
前立腺がんの予防食から在宅医療まで

●予防に在宅医療 今年も新しい切り口

黒沢病院附属ヘルスパーククリニックの前立腺がん市民公開講座の様子 これまでも、女性の視点から前立腺がん啓発のメッセージを送るなど、常に新しい啓発アプローチを続ける黒沢病院附属ヘルスパーククリニック。長年、予防医療の意識を地域に浸透させる役割も果たしており、市民公開講座は平日午後3時開催にもかかわらず105人の参加者を得ました。
 無料PSA検査に加え、講演とパネル討論の2部構成で行われた市民公開講座。山中英壽先生を座長に、講演は熊坂文成先生による「在宅医療と前立腺がん」、横山友里さん(管理栄養師)による「前立腺がんの予防食レシピ」と新鮮な切り口。「前立腺がんの在宅医療について理解できた」(70歳代女性)、「食事の大切さがわかった」(60歳代男性)という感想も聞かれ、予防意識の高い参加者に講演内容は響いたようです。
 続いて黒澤功先生司会のもと、第一部座長の山中先生、熊坂先生、横山さんに加え、女性の立場からNPO法人前立腺がん検診推進ネットワーク理事の黒澤由美子さん、大河原カツヱさんがパネリストとして参加し「前立腺がん予防と女性の役割」をテーマにパネル討論。活発な質疑応答が行われ、予定時間を40分以上超過するほどでした。また展示ブースでは、黒澤先生をはじめ、大勢の職員の出演協力のもと制作したオリジナルPR映像を上映。明るい表情でPSA検査を呼びかける内容に、たくさんの人が足を止めていました。
前立腺がん啓発のためのパンフレット さらに、隣接エリアの冨岡・甘楽薬剤師会とも連携したのも特筆すべき一つ。熊坂先生の講演をはじめ、各薬局にキャンペーンポスター掲示とパンフレットの陳列を行いました。来局した人に積極的な呼びかけを行うなど、暮らしに根付いた地域薬局の身近さを生かした試みでした。

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