前立腺がん治療・小線源療法|ブラキ・サポート https://brachy.jp/ Produced by メディコン
癌が早期発見出来たあと、次に重要なことは、再発の起こりにくい治療を受けることです。はじめに受けた治療選択が適切でないと気づいても、あとから元に戻ってやり直しはできないわけですから、最初の治療の成功・不成功は非常に重要です。癌治療では、敗者復活戦はないと考えて最初の治療をいかに完璧なものにしていくかを慎重に考えていただきたいと思います。
再発した場合も放射線療法やホルモン療法含めたいくつかの治療により、その後の転移が出現するまでに10年近くコントロールすることも可能な場合もありますが、こういった状況では癌の完治はきわめて難しくなってしまいます。再発をおこした患者さんやご家族の心理的、経済的負担を考えると最初の治療で完治することが幸せを勝ち取る鍵と言えましょう。したがって治療方法、施設の選択基準はハイテク機器を使うかどうかでなく、非再発率を重視して考えるのが賢明です。その意味でも最初の治療を受ける際に再発率がどれくらいであるのか?納得できるまで担当医に尋ねてみることが大事です。また納得できなければ積極的にセカンドオピニオンを外部に求められることをお勧めします。
近年、米国では癌の治療を受けた患者さんの健康の質をサバイバーシップと呼び、サバイバーシップの高い治療をおこなうことが求められています。尿失禁の苦しみ、性機能の喪失、再発や転移出現への不安や苦しみ、再発にための長期のホルモン治療などはあきらかにサバイバーシップを低下させます。その意味でも特に年齢が若い方こそ再発率が少なく副作用の少ない治療を選ぶべきではないでしょうか。この解説では、小線源治療は高い技術でおこなえば、単独治療もしくは外部照射との併用によりすべてのリスクの前立腺がんに対して高い確率で根治が期待できる治療法であることを解説していますのでじっくりとお読みいただき参考としていただければと思います。
<執筆>あじろぎ会 宇治病院 泌尿器科 岡本圭生先生