前立腺がん治療・小線源療法|ブラキ・サポート https://brachy.jp/ Produced by メディコン
泌尿器科学の分野において最も歴史ある国際会議「第32回国際泌尿器科学会」の開催地となった福岡県福岡市。学会期間中の9月30日には、同市で市民向け公開講座「よくわかる前立腺がんのお話し」が催され、最新の前立腺がんの知識を得ようと、多くの人が聴講に訪れました。また同日には、前立腺がんの「早期発見・適切治療の大切さ」を発信するブルークローバー・キャンペーンも、啓発資料の配布を福岡市内で実施。前立腺がんへの関心が高まる学会期間中に、キャンペーンの活動趣旨を広く呼びかけました。
「第32回国際泌尿器科学会」開会に先立ち、福岡エルガーラホール・大ホールで開催された市民公開講座には450人の市民が参加しました。
内藤誠二先生(九州大学泌尿器科教授/第32回国際泌尿器科学会総会会長)による「泌尿器分野にとって最も重要な病気である前立腺がんへの理解を、ぜひ深めてください」とのあいさつで始まった講座。各講師による講演では、前立腺がどこにあるかから始まり、診断の切り札ともいえる「PSA検査」についても話題が展開された
(1)「予防」。スクリーニングから確定診断の具体的な方法まで話が及んだ
(2)「診断」。そして手術療法から最新の治療法まで広く紹介された
(3)「治療」の、計3セクションの講演が行われました。講座のタイトル通り「よくわかる前立腺がんのお話し」に、参加者は真剣に耳を傾けます。その後の質疑応答では、参加者から59もの質問が集まり、福岡市民の前立腺がんへの関心の高さをうかがわせました。
そして会場では、ブルークローバー通信vol.9でキャンペーンのインタビューに答えてくれたタレントの稲川淳二さんによるビデオメッセージの上映も。前立腺がんを乗り越えた稲川さんですが、その労苦を感じさせない軽妙な語り口に、会場の雰囲気もガラリと変わります。映像内では、前立腺がんと診断されたきっかけや、治療中のこと、そして最新のロボット支援手術など幅広い話題を展開。客席の年齢層にも近い稲川さんの、前立腺がん手術経験者ならではの説得力あるメッセージに、勇気づけられた参加者も多かったのではないでしょうか。
一方、市民公開講座の同日、会場から数ブロック離れた箇所では、ブルークローバー・キャンペーンが啓発資料を配布。場所としてブースを設置したのは、九州きってのターミナル駅・西鉄福岡(天神)駅です。繁華街・天神に位置する同駅構内は、週末ということもあり、列車到着ごとにたくさんの人が改札を抜け、ブース前を横切ります。前立腺がんのリスクが高まる50歳以上の男性はもちろん、その周囲の女性や子どもたちに向けても、PSA検査の受診や、現在の日本で急増する前立腺がんの実態を知ってもらおうと、キャンペーンスタッフが小冊子などの資料を手渡します。
資料を受け取ってくれた40代のある男性は、余分にもう一部を入手しようと、再びスタッフの元へ。話を聞くと「何げなく受け取り、表紙に"前立腺がん"の文字を見て思い当たりました。実は父親が前立腺がんの疑いあり、との診断を受けているので、父親の分の資料も取りに戻ってきたんですよ」。前立腺がんには遺伝の要素もあるとスタッフから聞いた男性は「40代でも他人事じゃないですよね。PSA検査を初めて聞きましたが、ぜひ受けに行こうと思います」と語ってくれました。
また、「うち(の家庭)には女性しかいないから」と、いったんは資料を戻した女性も、「周囲の男性にぜひ呼びかけてください」とのスタッフからの声掛けに、思い直して快く受け取ってくださったというワンシーンも。当事者の男性だけではなく、それを支える家族や女性にもキャンペーンメッセージが染み渡ったことを確信した1日は、予定の4,800セットを配布し、充実のもと終了しました。福岡の地でも「前立腺がんの早期発見=PSA検査」のメッセージが、ますます浸透することを願います。